音楽解析on twitter 解析曲名「キセキ (GReeeeN)」のブログ上での掲載。

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GReeeeN - キセキ

 

※曲を聴く時は出来るだけヘッドホンをつけて聴いた方が、曲の世界観に浸れるよ(/・ω・)/

YOUTUBEの切り抜き画像に表示されている動画の再生時間に添って、

曲を聴きながら以下の文章を読んでいってくれると嬉しいよ(*^-^*)。

 

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生まれて来てくれて、ありがとう。
そう言われた。この私が。
世界で一番醜くて、世界で一番愚かなこの私が。
その言葉を生まれて初めて、私は与えられた。
彼がいるから私はいて。
彼が有るから私は有って。
そういう関係、彼と出会えて私は初めて築くことが出来た。
当たり前のように常識的に、私の頬には温かいシズクが流れ落ちていった。
こちらこそどうも、本当にありがとう。
これからもどうか、末永くよろしくお願いします。
あなたと出会えて、私は本当に幸せです。
この曲が君の心に映し出す物語は、抱擁の物語。
独りで生きては、いけなくて。
独りで生きる、それは生きているとは言えなくて。
誰かの言葉で、私たちは支えられて立つことが出来ていて。
誰かの言葉で、私たちは繋がれて。
そんなこと、知っていたのに知らなくて。
知っているのと分かるのとは、だいぶ違った。遅い理解。
彼の温かさに抱きしめられながら、
彼に認められながら赦されながら愛されながら、
私はゆっくりと大人になっていった。
そういうキセキ、私はだいぶ遅かった。
でも、それでいい。今となっては。
ありがとうありがとう。
本当に、こんな私でごめんね。
どうかよろしく。
ありがとう。

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私の人生は、冷たい人生だった。
私の人生は、愛がない人生だった。
親。
思い出したくもない。
いや、正確に言うと親との温かいシーンしか思い出せないから、それが辛い。
嘘じゃん。
そんなん、嘘じゃん。
いい親じゃ、なかったじゃん。
愛された思い出、ほとんどない。
虐げられたばかりのはずなのに。
両親の喧嘩の声しか耳には残っていないはずなのに。
何でこうやって思い出すと、優しくしてくれたシーンしか思い出せないのだろう。
そんなシーン、嘘じゃん。
私に何か、全然愛情注いでくれなかったじゃん。
ふつーに、殺したかった。
ふつーに私は私の親、自らの手で殺めたかった。
だって、あんなの親じゃないから。
自分のことだけしか頭になくて。
他人の目ばかり気にして。
そのくせ社会に馬鹿みたいに利用されて。
負の連鎖の発祥地。
当たり前のように親と仲良くしている友人たち、眩しすぎて。
私とは生きている世界がまるで違った。
友人のいる世界が現実世界なら、私はどこにいるんだろう、なんて。
虚ろな目をしながら、気持ち悪い日常をひどく淡々と消化し続けていて。
考えることを閉じて。
早く死にたい。
早くヒトをやめたい毎日。
私の子供時代、そんなでした。

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こんな言葉を馬鹿な私が使うのも何だけど、生きていれば可能性はあって。
何で私は、あの親から離れることが出来たのだろう。
そこら辺の記憶、ひどく曖昧で。
捨てられたのかな、捨てたのかな。どっちでもいいか。
気付いたら親は私の目の前にはいなかった。
そして私は相変わらず、何も考えずただ日々を消化していた。
相変わらず、いつ死んでも良かった。
自分はもう、終わっている命だと自覚していたから。
たぶん自分から、世界とは・社会とは距離を置いていったと思う。
どんどん世界を狭めていって。
出来るだけ眩い光り、感じないようにして・見ないようにして。
希望って、生まれながらの特性だなとあの頃の私は思っていた。まあ今も多少。
希望の欠片すら、私は触れることが赦されないような気がして。
人の温もりを出来るだけ避けて。
何故ならそこに、偽りの親を思い出してしまうから。
私の頭の中にあるルール、すべてあの親から生み出されていて。
馬鹿から生まれるのはそれ以下の馬鹿。
どんどんとどんどんと、私は私を止めていった。
私を延長すると、それはあの親になるだけのような気がしたから。
だから人形の方がいい。
感情を持たず表情を出さず決して喜ばず。
そっちの方が、楽だから。
そっちの方が、親とは別れられる気がしたから。
いつ死ねるかを楽しみにしながら、私はゆっくりと年齢を重ねていった。
ああ、メンヘラ最高。
世界、早く死ねっ!

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この言葉をまた最低な私が使ってしまうけれど、生きていれば可能性はあって。
可能性。何て安い言葉。
何で私は、彼に出会うことが出来たのだろう。
あんなに眩しい人が、何故こんな私に触れようとしてくれたのだろう。
生きるとは偶然の積み重なり合いで。
生きていれば例え意味なく目的無く彷徨い続けていても、

偶然は積み重なっていって。
その頃のほぼ死んでいた私の唯一の趣味は、街でヒトを観察することだった。
自宅で独り籠っているとナイフを持った自分と向き合ってばかりで気持ち悪くなる一方だったから。
街に出て街行く人を観察し続けることで、出来るだけ私は私を失くして。
出来るだけ私は、私の心から離れていって。
様々な時刻の、様々な群衆を観察して。
ヒトが動いているのを感情無く感傷なく見つめ続けて。
静かにオートに脳の中にヒトデータを録っていって。
それまでの籠っていた自分の世界から、一つずつ一つずつ違う世界があるのではないかという可能性を思っていった。
違う世界。
気持ち悪くない世界。
死に愛されない世界。
温かい世界。
優しい世界。
それでその頃、本屋にも通うようになったんだ。
出来るだけ気持ち悪い私の世界から出たいがために、
私は新たな世界を模索していったんだ。
世界や世の中に対する好奇心の芽、遅ればせながら私は育んでいった。
偏差値0の私の、静かな学び。
その違う世界を知ろうとしていく気持ちの湧き出し、ほんの少しだけ嬉しかった。
自分の外側にあるものに対しての興味、私にもあったんだなって。

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少しずつ少しずつ私は年齢を重ねていき。
世の中を知りたいがために働いて、嘘っぽく社会に溶け込んで。
まともなヒトという自覚はまだ全然芽生えなかった。
別にこの頃も、いつでも死んでよかった。
吊り橋にずっとぶら下がっていた。
いつ堕ちてもいい。いつ死んでもいい。
死というものはやはり生きることより、温かいものだと思っていたから。
いつまでもいつまでも、私は冷たい世界の住人だと感じていたから。
死んだ方が、祝福されるような気がして。
やっぱりヒトって、環境だよね。
そのヒトの幼少期が、いわゆるそのヒトの精神の根が作られる所だよね。
私の根は、暗いままだった。
私の根は、腐ったままだった。
私の根には、ずっと死神がまとわりついていた。
そこから、出れなかった。
そこから、離れられなかった。
苦しくはなかった。
いや、苦しいに慣れた。寂しいを越えた。
気持ち悪い感情が常にまとわりついているのに、慣れてしまった。
気持ち悪い思い出がもう、心地よくなってしまっていた。
だから、常に死が傍らにあって。
いつでもよかった。
いつでも終わってよかった。
彼と、出会うまでは。

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彼と出会って愛されて、私は初めて心から泣いた。
彼と出会って抱きしめられて、私は初めて心の底から涙を落としていった。
生まれて初めて認められて。
生まれて初めて赦されて。
生まれて初めて抱きしめられて。
泣くという行為は、とてもこわかった。
涙を落としてしまうと、自分を根底から覆されていくような感覚がして。
心から泣いてしまうと、それまでの自分をすべて奪われていくような気がして。
それは諦めていたのに。
それは拒絶していたのに。
私には資格、無かったのに。
嘘だ。
嘘だ嘘だ嘘だ。
こんな温かい世界、嘘だ。
赦されてしまうと、またゼロから自分を創り生み出さなきゃいけない気がして。
それは愛ある両親から生まれ出て成長していくのとは難易度が違う。
新たな自分と愛されなかったこれまでの自分、どちらもあやしていかないといけない。
悪魔のように育ってしまった愛を知らないこれまでの自分も平等に、愛を注いでいかなければいけない。
重い。
愛され方、知らないよ。
愛し方、知らないよ。
クソ面倒くさい女。
ひどく低レヴェルな女。
ただ愛されたかっただけなのに。
ただ褒めてもらいたかっただけなのに。
変えれない記憶を、久遠に憎み続けて。
温かい家庭に生まれていたら、こんな面倒くさい想いしなくて済んだのに。
いつまでもいつまでも、薄暗い幼少期を彷徨っている私がいて。
彼の温かさを美味しくガブリガブリと骨の髄まで食べ続けて。
まだ足りない。
まだ満ち足りない。
ずっとずっとずっとずっと、抱きしめられていたい。
ずっとずっとずっとずっと、愛されていたい。愛し合っていたい。
愛されなかった記憶と殺し合いをし続けて。
愛されなかった想いを殴りながら慰め続けて。
それでも消えない、心の痛み。
より鮮明になっていく、心の痛み。
ごめんね。ごめんね。
私が生きるために、君を利用して。
でも君となら、私は生きたいよ。
ごめんね。

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優しされた記憶の写真をゼロから増やしていきながら。
温もりをくれた存在証明の破片をゼロから寄せ集めていきながら。
まだまともには、立てなくて。
そこら中に、落とし穴は点在していて。
まだ、それでもいつでも自分には死が傍らにあって。
彼に抱きしめられても赦されても愛されても、
それでもなお、気づいたらいつでも死にゆける私が久遠にいて。
彼と出会って、その死の堕ち穴はより鮮明に見えていて。
私の心から、この死神が消えることはないだろう。
生きている限り、例えどんなに愛されたとしても、
死への羨望は消えることはないだろう。
根は、変わらない。
私の親は、いつまでも私の親であり続け。
血になっているんだ、親が。
私の身体の中に、親の血が流れ続けている限り、
私は親という暗闇から出られないのだろう。
それを乗り越えよう・暗闇から出ようとは今は思わず。
私が少しだけ、大人になればいいんだ。
彼から教わった温もりから、私は私自身を育てればいいんだ。
強くなればいいんだ。
弱さも怖さも暗闇も死も受け入れる、大人へ。
納得はしていない。
明確に理解はしていない。
ただ、少しだけそう感じただけ。
今は、それでいいや。
ありがとう。ありがとう。
ありがとう、お母さん。

そして、さようなら。

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暗黒少女の光りを知りゆく物語はようやく第1章が終わりに近づき。
まだまだだから。
まだまだ、これからだから。
いつもの、ここからだから・これからだから。
君が思っている以上に、君の人生は永く。
君はまだ幼くて。
君はまだ、心が創る世界がとても狭くて小さくて。
君はまだ、何も知らない。
君はまだ、何も知ろうとしていない。
自分の存在の美しさすら、どれほどなのか君は全く気づいていない。
君は美しいから。
それは容姿的ではなく、また心的ではなく。
存在が。
君がただ生きているということが、それがとても美しいと思うから。
その意味を・その真意を、君はまだ分からなくて。
分からなくていい。
分からないまま。
そのまま、君は君を進み行け。
どうか、まだ死なずに。
これからも末永くよろしく、幸せに。
おわり。

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解析曲名「キセキ」
終。

※ツイッター上に最初に載せた文章から、一部修正してこのブログ上に載せています。