音楽解析on twitter 解析曲名「Voyage (浜崎あゆみ)」のブログ上での掲載。

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浜崎あゆみ / Voyage

 

※音楽を聴く時は、出来るだけヘッドホンをつけて聴いた方がその世界に入れるよ(/・ω・)/

YOUTUBEの切り抜き画像に表示されている動画の再生時間表示に添って、

音楽を聴きながら音楽解析の文章を読んでいってくれると嬉しいよ(*^-^*)。

 

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求めていた人は、来なかった。
それはたぶん、私が望んでいたような人になることが叶わなかったからだろう。
今の私は思っていた以上に、望んでいた自分とは程遠く。
今の自分の心の内にあるものは、ただただ醜さと諦めのみ。
私はもう、現世はほとんど諦めた。
私はもう、これからの私に懸けるのは止めた。
私はもう、私の舞台から降りてゆく。
この曲が君の心に映し出す物語は、追憶の物語。
美しさって、限りがあるから素敵に美しいの
美しさって、より儚さ多く詰め込まれているほど狂おしいの。
私は私に美しさしか、求めてこなかった。
私は私に久遠しか、求めてこなかった。
それがもう、叶わないと分かったの。
それがもう、近づけないと分かったの。
だから私は、私を降りる。
世の傍観者となって・世界を遠めから見物して。
そうして心を無味に冷淡に転がして、これからの人生を波を起こさず生きてゆく。
ピークはすでに、過ぎ去った。
一番美しいシーンは私の記憶の中に鮮明にあって、
これ以上のシーンはこれからの私には訪れないだろう。
別に、それでいい。
あの時、そう、あの時が一番美しかったから。
その思い出がある限り、その思い出を見続けていくことで私は生きていくことが出来る。
それは決して後ろ向きではなく。
前を向いたまま、私は鮮明な過去の記憶と共にかっこよく生きてゆく。
あの時の美しさを胸に抱えしまい込んだまま、私は悠然といつまでもあの時の私と共に生きていく。
ただそれだけの、お話なの。

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君の心は相変わらず、平穏なまま平穏なまま。
君の顔色は変わらずに、穏やかなるまま穏やかなるまま。
年齢を重ねていくと不思議と、心は穏やかになっていく。
より老けていくのに。
より若さから遠ざかっていくのに。
よりジジイやババアになっていくのに。
不思議。
いや、その理由はある程度知っている。
知っているけど、知らない振りをし続けて。
鍵を持っているけれど、開けずにその鍵を楽しそうに眺め続けて。
あまり深くは思考せず。
すでに辿ったルートで自分を何度も慰め続けて。
深呼吸を何回か繰り返し、自分の心の整え方を知っている。
若い時のように刹那にからかわれても簡単に騙されず。
あえて知らない振りをして遊ばれゆくことで刹那を楽しんで。
主格の自分を中心において、楽しい旅はお客の自分に任せゆく。
疲れることを知っているから、あまり自分自身では遠くへは行きたくない。
自分の小人たちに、楽しい旅へと向かわせて。
君はそれを眺めている。
君は自分の家から、世界を俯瞰し続けている。
楽しかったなあ、今まで。
楽しかったなあ、これまでの自分。
時がどれだけ経っても・どれだけ年老いても、
君の瞳の奥の中にある世界は相変わらず永遠で。
これまでの君が、その瞳の中の美しさを永遠に創造し。
一番美しかった君を・一番美しい時にいた君を、その瞳の中に留め続けている。
もう、あまり望まない
もう、あまり心に何かを容れない。容れる必要がない。
いい私を経ることが出来たから。
いい旅路を歩むことが出来たから。
あとはただ、余韻を静かに楽しんで。
あとはただ、それでこじんまりと戯れ続けるだけで幸せで。
それでいい。
それですごくすごく、幸せだから。
この時を・この状態を、ただただ待ち望んでいたような気がするから。
これでいい。
幸せ。それは、たぶん。
確証は、あまりない。

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色々なことがあったなあ。
色々なことを、これまでの私は経験することが出来たなあ。
体験するもの・経験するもの、そのすべてが不安だった。
体験するもの・経験するもの、そのすべてが怖かった。
新しいこと・知らないこと経験するたびに、自分の心、震わして。
新しいこと・知らないことを経験するたびに、自分の存在が消えてゆくような焦燥感を感じつづけて。
何かを知ることはとても怖く。
何かを知ることによって、昨日の自分とは違う自分がいて。
日々、自分が変わっていって。
日々、自分を変えていって。
親を離れて一人暮らしをし始めてからようやく、社会の中での・世界の中での私が始まっていったんだ。
その時期や程度は人によって色々違うけれど、
世の中の大人の人たちは全員これら通過儀礼を経ていると思うと、凄いなと思う。
よくみんな、ここまで頑張って来れたよね。
よくみんな、平気な顔して横断歩道を渡っているよね。
意外とみんな、苦労してばかりなのかな。
自分と同じで、常に世の中や社会を怖がっていたのかな。
振り返るのが少し怖いから、経て来た自分を振り返ることなかなか出来なくて。
目の前にあることを、ただこなして生きて。
生きるためにただ働き続けて・生きるためにただ勉強し続けて。
私の20代は、そういう時期だった。
私の20代は、私が子供から大人へと移ろい変りゆく時期だった。

気付いたらオバサンで。
少しだけ、私は成長出来たのかも。
少しだけ、私は大人になれたのかも。
今でもまだ、ちゃんとした人になれたか分からない。
答えが出るのはもっと先。
もう少しだけ、解答するのを延ばし続けたい。
そういうところ、未だ子供。

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そして結局は結局は、自分の心に一番美しく残り続けているのはあの人との恋だった。
恋って結局、その時その時の自分の心の在り方によってそ色合いが変わると私は思う。
自分の心の在り方と、恋愛との関係性。
その時の自分が不安なほど、助けて欲しくて求めるせいで恋はより美しく輝いて見えて。
その時の自分の心が無限に空っぽなほど、自分の存在を確認したくて心を愛で埋め尽くそうとして。
心が幼いほど、恋は美しく彩られ
心が虚ろなほど空っぽなほど、愛は様々バリエーションで創造され続け。
愛する人への想いが、自分の心理状況のアンバランスな変化に応じていかようにも変化していって。
世の中や社会に対する壮大な不安が、恋をすることで生まれる存在肯定と相殺されて昇っていくようで。
怖いから、恋をして。
世の中・社会に対して不安だから、愛する人への想いで自分の心を満たそうとして。
だけど、それもまた刹那なんだ。
世の中や社会と同じように恋もまた・愛を求める自分の心というのもまた一瞬一瞬で、それもまた移ろい変わってゆくものなんだ。
昨日の自分が今日にはいなくなっているように。
昨日の彼に対する想いもまた、今日には嘘になっている。
あんなに無限に感じていた彼への愛が、一夜明けるとまるで消えていて。
あの時の私はたぶん、それほど”彼自身”を求めていなかったのかも。
彼自身を求めていないからこそ、彼の中にその時の私の怖さや不安を押し込んでいた。
私は彼を、利用していたんだ。
自分を立たせるために・自分を世の中・社会に立ち向かわせるために、
私は彼を使っていたんだ。
それならば。
それならば、彼への想いはすべて偽りだったのだろうか。
あんなに綺麗な想いも・あんなに美しい思い出も、すべて夢だったのだろうか。
それは、分からない。
そこはまだ、曖昧にしている。
そこにはまだ、届かないようにしている・触れないようにしている。
触れてしまうと届いてしまうと、すべてが崩れ去ってしまうような気がして。
今は、夢のままで。
そのままでもう少し、私はこの夢を見続けていたい。
弱い私、それでごめんね。

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少しづつ私は成長していった。
少しずつ私は大人の輪に加わっていった。
そうしたら、気づいていった。
ああ、もう戻れないのだなあって。
ああ、あの時が一番、素晴らしい時だったんだなあって。
自分を探り自分を見つけ出していく時間こそ、一番密で。
自分の姿・形が曖昧な時期こそ、まるでそこに全部の自分があるようで。

彼と共に創り続けていた未発達な想いこそ永遠で。
完成しない方がいい。
辿り着けない方がいい。
すべて夢のままでいい。
今になって、あの時の打算抜きのあの人との恋ばかりに浸り続けている。
命を延ばすために、誰かに恋をするのではない。
その時その時代の空気を共有共感するために、人は恋をする。
独りでは世界、存在しなくて。
独りでは自分という存在、成立してなくて。
自分も世界も、実体はあまり無さそうで。
そこに想いを挿入することで、自分も世界も絵になりゆく。
今の私はもう、あの時のような美しい絵は描けないだろう。
未経験のものが少なくなってしまったから。
世の中・社会をある程度決めつけてしまっているから。
無垢な自分を、どこかで失くし捨ててしまったから。
美しい恋に年齢は関係ない。
ただ年を重ねていくごとに心のキャンパスは汚れていく。
混じる色が多くなっていくと、生み出せる色は限られていく。
あの頃には戻れない。
あの頃の色彩は、私にはもう創れない。
だから、あの頃と共に。
だから、あの時の想いと共に。
だから、あの日の彼の横顔と共に。
私はこれからを、ずっつずっと生きてゆくんだ。
それは、とても幸せ。

それはかなり、ズルいけど。

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儚さに存分に酔いながら。
久遠にいつまでも浸りながら。
新鮮な心で、気持ちいい。
鮮烈な想いのままで、幸せだ。
そんなに欲張ってはいけない。
これから欲張っても、たぶんあまりいいことはない。
欲張っても、それはあの頃を追ってしまうから。
望んでも、それはあの時を重ねてしまうから。
ピークは過ぎた。
一番美しい景色は、もう見ること叶わない。
それでいい。
悔しいけどとても苦しいけど、そう妥協するしかない。
綺麗なヒロインには、もうなれない。
若く美しい人に添うのは、若く美しい人。
あの時以上の絵を、これからの私は描けないだろう。
そうやって繰り返し繰り返し毎夜毎夜、自分を慰め続けている。
結局、引きずっているんだ。
結局、枯れることが口惜しいんだ。
もうちょっとあの時、望んでいたらなあ。
もうちょっとあの日、終わらいままでいてくれたらなあ。
そうしたら少し、変わっていたのかも、
何をバカな事言っているんだか。

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うっとおしい音が聞こえてきた。
今の私の日常は、少しかなり醜い。
冒険心を忘れてしまった。
新しい世界に参加することを面倒くさがって、夢の中で自慰をしてばかり。
変えた方がいいのかな。
今から?今の身体で?今の心で?
変えると言っても変えたら大変なものが多い。
ある程度、私は固定されてしまっているのだ。
もう、結構疲れた。
また一から子供から始めてゆくのは、疲れた。
とても早く、一日は去ってゆき。
あっという間に、年をとってゆく。
もう一度迷うのは、少し難しい。
もう一度不安と戦っていくのは、肌に悪い。
そういう私しか残っていないから。
今夜もまた、夢の中へと逃げ行くの。
ごめんね。

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どこにでもいる女の子の回顧録はようやく終わりに近づいて。
未だ少女を続けていて。
未だ少女を脱げなくて。
心はいつまでも若いままで。
心はいつまでも若さを欲していて。
すごく貪欲。
すごく、生きることに貪欲。
いつまでも輝きを追っていて。
いつまでも美しさに恋焦がれて。
自分を諦めること久遠になくて。
いつまでもいつまでも戦っているようで。
そういう自分、すごく好きで。
そういう自分、貫いて行きたくて。
消えない炎を胸に忍ばせながら。
今日も君は、美しく生きていった。
おわり。

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解析曲名「Voyage」
終。