音楽解析on twitter解析曲名「ツバサ(アンダーグラフ)」のブログ上での掲載。

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ツバサ / アンダーグラフ(長澤まさみ出演 short pv full music)

 

※以下、ツイッター上に最初に載せた文章から、一部修正しています。

 

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また振られた、ンゴ。
何で、かな。
何で、モテないのかな。
何で、振り向いてもらえないのかな。
振られてしまうと、また一からやり直し。
どうにか好いてもらえるように・どうにか振り向いてもらえるように、
自分自身をかき混ぜ続けて・かき回し続けてぐちゃりぐちゃり。
それでまたダメだと、それまでの自分がすべて甲斐なくデリートされていくようで。
結構、頑張ったのにな。
結構、整え装ったのにな。
自分なりに・ダメな割に、現状の自分の想いを真剣に伝えようとしたんだけどな。
上手く、いかないな。
何が足りていないのかな。
求められるには、まだ自分は幼すぎるのかな。
結局は生きるって、恋しかなくて。
結局は生きるって、愛されたいしかなくて。
求められたい時ほど、求められなくて。
愛して欲しい時ほど、愛されなくて。
この曲が君の心に映し出してゆく物語は、未成熟の物語。
生きることに終わりは無くて。
求めることに終わりは無くて。
求められたいことにもまた、終わりは無くて。
ようやく自我芽生えだしてしまったら、一生承認欲求との鎖に縛られて。
子供を卒業したら、より子供になっていくような気がして。
弱い。
弱いというより、脆い自分。
心の内を、上手く外に出していけない。
想いの内を、上手く表現することが出来ない。
結構、想っているんだけどな。
結構、好いているんだけどな。
伝え方を知りたくて。
表現方法、知り足りえなくて。
幼い。
稚い。
そんな自分との付き合いはまだまだだいぶ永く続きそうだ。
ふう。

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面倒くさく、そしてひどくあっさりと、時間だけが君をガバガバに追い越してゆく。
時間過ぎてゆくと同時に、景色も少しずつ移ろい変わっていって。
残りゆく、君の幼き想い。
いくら社会経験を積んでいっても、いくら人生経験を増やしていっても、
果たせなかった・実らなかったあの時ばかりを思い出してしまっていて。
今の恋人は、あの時の恋しい人とは違って。
いくら満たそうとしても・いくら満たしてあげようとしても、
常に常に、すべてが足りなかったあの頃を思い出してしまって。
何かこれ、ミステリー。
そこに何も無いのに・そこから何も応えは返ってこないのに、
そこばかりに君の稚い心、留まり続けて。
大人に、なれなくて。
大人に、なりきれなくて。

ふらりふらり、大人ぶり。
届かないものばかりを・掴めないものばかりを追い続けて。
あの時手にしていたら、違ったのだろうか。
あの時掴めていたら、何かが変わっていたのだろうか。
IFばかりに、侵され続けて。
IFばかり、想い続けて。
IFばかり、愛し続けて。
とても意味のない想い。
とても無駄な想い。
だけど一番、美しい想い。
だけど一番、温かい想い。
また夢を見たくて。
また夢に愛されたくて。
そうして君は今夜もまた、あまり元気がない月ばかり見ていた。
もう少し光ってよ、お月さん。

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幻想の中で、気持ちよく抱かれて。
未解決の地で、想いを開拓し続けて。
夢の中で生きるのは心地いい。
何故なら夢の中ではあの時と同じようにあと一歩足りないから。
寸前でかわされて。
寸前で想い絶たれて。
ギリギリで裏切られてゆく感覚が、極上に悦で。
君は繰り返し夢を見て。
君は繰り返し夢から醒めて
いつまでもいつまでも、君、あの時のままで。
いつまでもいつまでも君の想い、実らないままで。
ひどくピーターパンで。
今の日常・今の現実なんか、どうでもよくて。
夜になるとまた、あの人を想って。
夜になるとまた、あの頃の自分に戻って。
弱いままでいい。
届かないままでいい。
今もこうやって、心地よい夜を過ごせているのだから。
緋色、君を馬鹿にして盛大に笑い続けていた。

笑われても、それでも。

あの頃が好き。

あの時が、好き。

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だらんとした澱んだ時間、流れ続けて。
君の瞳、濁りと澄みを交互に往復し続けて。
何度も自分の心の中で意見交換をし続けて。
馬鹿正直に、自分の輪郭を曖昧にし続ける昔の君がいて。
大人になったからと言って、何だ。
満たされたからと言って、何だ。
あの時の自分は、何を求めていたのだろう。
あの時の自分は、好きだった人に何をぶつけようとしていたんだろう。
何も無かったのに。
だから好きになって欲しくて。
だからあの人の笑顔から、何かを見いだしたくて。
あの時自分が何も無いからこそ、あの人の瞳の奥に何かを求め続けて。
何か全部、嘘のようで。
どこかすべて、虚構のようで。
だから面白く。
だからこうやってずっとずっと、心惹かれ続けて。

だからだから、だから。
まだ、眠りたくない。
まだ、無駄な遊びをし続けていたい。
それがとても楽しいから。
もう少しで、届きそうだから。
絶対に届かないから。

久遠に届かないから。

だから。

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永い夜はまるで永遠に終わらなくて。
君は独り、狭い部屋からあまり光らない月を眺め続けて。
そういえばあの頃は、とてつもなく自由を欲していたなあ。
そういえばあの頃は、果てしなくあの街から出たかったなあ。
まるですべてを置いてきて。
空になった心の器だけが、共についてきてくれていて。
心の自慰は、出し終わることなくしごかれ続けていて。
出してしまうと醒めてしまうから、寸前で留め続けて。
馬鹿かな。
馬鹿だよな。
でもあの頃の自分は、もっと馬鹿だった。
というよりも、知らなかった。
馬鹿な事にも、気づいていなかった。
世界の破片に触れることを求め続けて。
自分の足跡を、何度も何度も確かめて。
自分の足音に、飽きることなく興奮し続けて。
知らないことに手を伸ばしていきたくて。
分からないことに口を挟んでいきたくて。
ひどく無知で。
だから愛おしくて。
変わらずに変わらずに君は、玩具を欲し続けていた。

自分を満たすために。

自分を欲情させるために。
大人になると、求めるものが大きく広くなりすぎる。
大人になる方が、何だか幼稚だ。

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またあの人の笑顔のシーンに覚まされて。
何でああいう風に、あの人は笑えていたのだろう。
あの笑顔は、どんな想い色から生まれ出たものなのだろう。
好きだった人の笑顔の背景、探り続けて。
それ以上関われなかったからこそ・想い出テープそこで途切れるからこそ、
そのシーンで何度も夢精し続けて。
IF、君を指さし笑い続けていて。
違う世界線、君を弄び続けていて。
どっちが玩具だか。
どっちが正規ルートだか。
月、完全に雲に隠されていってしまった。
君、また独りぼっち。
君、相変わらず独りぼっち。
ああ、ひとり、気持ちいい。
ありがとう、ひとり。
また、ひとり。
ウケる。

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回想の回想は始まっていって。
夜明けにだんだん近づいて。
時間軸が現在に戻りつつ。
しかし未だ、君は夢の中うつらうつらと眠たい眠たい。
猫のしょんべんの臭い匂い、近づいてきて。
清々しさが・凛々しさが少しずつ戻りつつ。
いつもの・日常の俯瞰さを少しずつ取り戻しつつ。
酔い、少しずつ醒めてゆき。
現状の自分の姿・形を思い出しつつ。
日々のやらなきゃいけないこと・日々の仕事、思い出しつつ。
現在自分の隣にいる人を愛すこと再開しつつ。
また、老けてゆく。
また、離れゆく。
何度も手を伸ばして。
伸ばした手を、自ら断って。
サヨナラを言って。
記憶から消して。
すべてを嘘に、押し込んで。
すべてを嘘に、しまい込んで。
時間、非常に残酷で。
時間、至上に優しくて。
どちらでもいい。どちらでも。
変わっても。変わらなくても。
あの日のままでも。あの日のままじゃなくても。
すべてを運に任せて。
すべてを天に任せて。
そうして君、また卒業していった。
また、入学していくことを望みながら。
君、夜明けと共にまた離れ離れになっていった。

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ナルシスト少年少女の憂鬱愉悦物語はようやく終わりに近づき。
こういう空気が、好きだから。
届かない想いに・叶わない想いに極上の気持ちよさを感じてしまうから。
ひどくマゾで。
心の中で想いDIYし続けて。
思い出に溺れ続けて。
思い出で絶頂し続けて。
あの頃の方が楽しかったから。
あの頃に、すべてが詰まっていたから。すべてを詰め込んでしまったから。
そのすべてが何だったのか、今は忘れてしまった。
だから夜に頼って。
だから強い魔力を持つ、夜の月をあてもなく探し続けて。
つまらない大人でもいい。
今の自分は別に、何も知らない・何も果たせない自分でいい。
ずっとずっと、思い出があれば。
ずっつずっと、思い出と眠れることが出来続ければ。
それでいい。
それだけで、それでいい。

それでいい。
おわり。

 

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解析曲名「ツバサ」
終。