音楽解析on twitter 解析曲名「鳥の詩 (Lia)」のブログ上での掲載。

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【AIR】 鳥の詩 【高音質】

 

以下、ツイッター上での「曲の歌詞」にあたる部分は、

ブログ内ではYOUTUBE動画における「再生時間〇:〇〇~〇:〇〇」で表しています。

また、ツイッター上に最初に載せた文章から、一部修正しています。

 

「再生時間0:15~0:23」

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焼き肉が、食べたい。
お腹いっぱいになるまでケモノのお肉、自分の身体に放り込みたい。
空腹・空虚は、もう飽きた。
定められた慣例に、自分の行動や仕草を縛られるのはもう疲れた。
もう少し、自分の言葉で答えてみたい。
自分の言葉で・自分の意志で、自分の想いを表したい。
ぶっとんじゃっても、いいよね、時には。
おかしい人を演じても・おかしい自分を表現してもいいよね、こんな夜は。
正しいというのが、もう分かんない。
正しく血を受け継ぎ繋ぐことって、そんなに大事?
受け継ぎ繋ぐことに重きを置いて、今の自分がだいぶ置き去りにされている気がして。
これは永い物語。
永い時の中で、何度も拒絶を繰り返していく物語。
ハッピーエンドだけが幸せではなくて。
報われない中に叶わない中に、眩しい光りを見いだしていこうか。
毎晩疲れて毎晩病んで、毎晩泣いた君物語、始まっていく。

 

「再生時間0:23~0:32」

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まずは荷下ろしの作業から。
まずは君の心を軽くすることから、この物語は始まって。
今の君はあまりにも、心に負荷をかけすぎてしまっているから。
今の君はあまりにも、業を背負いすぎてしまっているから。
そんなんヤバいっしょ、常識的に考えて。
そんなん普通、死んじゃうっしょ。
生きながらにして君は死を背負い。
報われない・成仏できない死者のために、君は君の魂の領域を彼らに貸し続けていて。
ただの君が・ごく平凡な君が・一般庶民の君がそれを担っていて。
とりあえずそれ、止めようか。
その鎖を・その重りを・その拘束具を、まずは外そうか。
なかなか自らでは、それら外せなくて。
それが当たり前になっているから。
それが使命と、身体染み付かせてしまっているから。
馬鹿で可哀想で、そしてすごく神秘的な君がいて。
君による神様に対する反抗、それは少しの心の戯れから始まっていった。
自分、遊ばして遊ばして。
軽くなれ軽くなれ、舞っていけ、君の雄大な心。
解放解放。
いざ、かいほー。

 

「再生時間0:32~0:39」

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解いて降ろして、頬を緩まして。
そうして君は少しずつ、君を取り戻してゆく。
吸い込む空気が、ぬる温かい。
世界ってこんなにも、ゆったりとした時間が流れていたんだ。
ひどく可愛げに、君は笑い。
世界に散らばった美しさの破片を、君は久しぶりに丁寧に拾い集め見つめて。
何も背負っていない君は、ひどく無垢で。
誰の顔からも裂かれることのない君の想いは、とても柔和で。
ただのヒトであることを、君は享受している。
宿命忘れて宿命絶って、君はやっと自分の心の器をまさぐれている。
危ない気配は、自分の周りに普通に感じてる。
そう簡単に、繋がりは切れないから。
何度も悪夢を見て・何度もうなされて、それでも君は生まれ変わるために戦おうとしていた。
守りたいものが・大事にしたいものが自分の心に育ちつつあることを、君は感じていた。
嵐の中の航海・先が見えない夢物語、まだ始まったばかりだった。
永く、そして遠い。
でも少しだけ、嬉しい。

 

「再生時間0:39~0:53」

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旅の準備を、君はしていて。
知らないものを・未知なものを、自分の瞳にもっと入れていきたくて。
君の旅を止めようとする悪魔たちの手は、後ろから何本も無数に伸びている。
うめき声叫び声は、ずっと君の頭の中で鳴り続けている。
これはたぶん、消えないのだろう。
幻聴幻覚は、これからもずっと付き合っていかなければいけないだろう。
それでも、跳びたくて。
少しでも暁光に、祝福されたくて。
弱音と決意を行ったり来たりしながら、君は少しずつ歩みゆく。
進もうとすればするほど眩暈(めまい)がするけれど、それでも進んで行きたくて。
馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ。

馬鹿だ。
ムカつくほど決意固めつつある君は、ひどく恐ろしく。
不安定を楽しんで。不謹慎を笑って。
誰にも愛されることない君という怪物は、徐々に徐々に巨大化していった。
身体大きい方が、遠くの方が見やすいからね。
さあその巨体で図々しく、歩み進んでいこうか。
どうか無事に、帰ってきてください。

 

「再生時間0:53~1:00」

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君の永い旅は、まずは色彩を知ることから始まって。
色彩の中でも、まずは紅色を・赤色を・血の色を学ぶことから始まって。
その色が一番、君に近いから。
その色が一番、君に優しいから。
紅色の中に、溶け込んで。
紅色の中で、呼吸して。
この中で何かを新しく知るというよりも、まずは確認が行われていき。
紅色は君の心をとても柔らかくしていく。
特に君の過去を、紅色は優しく噛み砕いていく。
血の巡りの・血の繋がりの・血の受け継ぎの映像を君は視てゆく。
同じ「好き」という言葉でも、いつ・どこで・誰からの言葉かによってその「好き」という言葉の意味合いが大きく異なっていくように。
先程まで君を一番苦しめていた君の過去を、違う視点で紐解いてゆく。
苦しみの過去を慈しみある過去へと変換してゆく・理解してゆく。
苦渋な繋がりの中に、可哀想な人たちの面影を垣間見てゆく。
君は人より、頭がいいから。
広く深く柔軟に、人々の積み重なり合いの歴史を理解していこうよ。
時の中で歴史の中で、犠牲者たちの死体、ひどく雑に転がっていた。
結構みんな、報われていないんだね。

 

「再生時間1:00~1:08」

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永い旅の道中では、学ぶことは多いよね。
君の心に映り出るものが、どんどんと増えていく。
これは、いい傾向なのかなあ。

これは、いい流れなのかなあ。
今のところ君は、ほぼ知恵遅れだから。
君はこれまでほぼ生身で裸で、世界と触れすぎてきてしまっていて。
それはやっぱり、心壊れちゃうよね。
傷つくの・病んでしまうの、当たり前だよね。
死にまとわりつかれるの、当然だよね。
君の心の進化、それは静謐と共に行われていき。
君の心の成長、それはくすぐったい想いと共に行われていき。
懐かしい時空の中で、君は心の器をゆらりゆらりとたゆましている。
ゆらり、ゆりゆら、ゆーらゆら。
懐かしい人とと会うのは、まだ早い。
独りの時間をもう少し楽しめ、静謐に。

 

「再生時間1:08~1:16」

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心の余裕、それが君に加算されてゆく。
俯瞰に俯瞰を重ねて、君は少しずつ自分の姿・形を明確にしてゆく。
欲が生まれ知を結合し、生きゆくための材料を、君は探し求めていって。
ここでやっとスタート地点、なのかな。かなかな。
ここまで来るのに、だいぶ時間はかかって。
ここからがまた、永いのに。
ここからが、本当の戦いなのに。
それでも君は、笑っていた。
当たり前の生を刹那の中に詰めるだけ詰め込んで、君は笑っていた。
ユニーク。

 

「再生時間1:16~1:23」

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翼を借りて、君、さらに上へ。さらに上空へ。
昇れるだけ昇り、舞えるだけ舞って。とても気持ちよくとても清々しく。
美しさを知らない美しさ、君、持っていて。
ただただ性(さが)に従って。ただただ黒点に見倣って。
出来るだけ多くのことを吸収し、自分に合わないものは素早く排除して。
自由だ。
心の管理、ひどく奔放だ。
自分を操作するのって、こういう風にすればいいのか。
音楽の風を頼って、君は華麗に舞い続けていた。
久しぶりに、楽しい。

 

「再生時間1:23~1:31」

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上空で華麗に舞う君は、下の世界を見下ろして。
まるで神様の真似ごとをして。
下にいる人は一人一人、過去があって歴史があって。
ひとつひとつの生き物に、悲哀あって歓喜あって。
混じり合う世界、爆ぜり続け。
地球という1つの台地をシェアしながら、重なり合って共鳴している。
その光景、何だか気持ち悪っ。
下の世界ってやっぱり、ひどく煩く穢らわしい。
面倒くさいなやっぱり。生きるって。
共存共生の輪の中に入るのが、とてもおっくうで。
死に逃避してしまうのもよく分かる。
生はあまりにも、格好悪く紡がり織り交ぜあい続けているから。
関係性の中に意味を見いだせない君は、まだまだ子供だった。
子どものままで、別にいいや。気楽だもの。
子ども、万歳。

 

「再生時間1:31~1:39」

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下の世界を煩わしく思った君は、人を諦めてしまって。人の輪から外れてしまって。
人にすがるのをやめて。

暇だから、何なら流行りの転生でもしてみようかな。
違う生き物に生まれ変わって。
そして世界を見てみる。そして世界を感じてみる。
どこまでも君、世界を通して自分を探し続けることがとても好きで。
新しい自分見たいがために・新しい自分を知りたいがために、君は人をも捨ててゆく。
愛よりも本能を好いて。
視線よりも鼓動に惹かれて。
積み木をどんどん、組み立ててゆく。
パズルを少しずつ、完成させてゆく。
呆れるほど遠回りな地道作業を、君はしていて。
君は繰り返し、君は馬鹿なふりをして興じていた。

 

「再生時間1:39~1:47」

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転生にも飽きて人間の姿形にまた戻り、君は久しぶりに大地に降り立って。
ほのかな覚悟と柔らかい呼吸を、君は宿していて。
そしてまた、繋がれてゆく。
そしてまた、背負わされてゆく。
いつまでもこれからも、君は変わらず時間の慰みものだった。
いつまでもこれからも、君は誰にも知られない・誰とも関われない弔い人だった。
可哀想とか憐れとかは、別になくて。
そういう命も、あるんだよね。
繋がりのための・儀のためだけの命も、あって。
絶って絶って、また絶って。
結論として君が出した答えは、命を賭して変わらずに紡ぎ続けることだった。

 

「再生時間1:47~1:53」

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消えてゆく。

君、消えてゆく。
個をやめて、全体の中に溶け込んでゆく。
そこに幸福を感じて。そこに悦びを見いだして。
多くの命が失われ、多くの命が生まれ芽吹き。
繰り返し命消えて、繰り返し命現れて。
緩やかな連鎖の中に、希望も絶望も巻き付けてゆく。
これは永い物語。
その中で幾度も、拒絶を繰り返す物語。
そして最後は、汲む物語。
物語、またふりだしに戻されて。
君の記憶、またさようなら。

 

「再生時間1:53~2:01」

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君はいない。
君はもう、ここにいない。
君はもう、どこにもいない。
みんな君を忘れて。
みんな君を失くして。
悲しくは、なくて。
君のおかげで、世界は成り立っていて。
君のおかげで、世界の均衡は保たれていて。
君が気づいたように、この世界はひどく脆く儚くか細く。
世界は薄い膜で覆われて、あてもなく漂い続けている。
シャボン玉のように、いつ割れてもおかしくないこの世界。
ゴム風船のように、いつ弾け壊れても不思議じゃないこの世界。
むぎゅ。
むぎゅむぎゅ。

パチンッ。

 

「再生時間2:01~2:10」

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喪失は創造を呼んでゆき。
創造は喪失を持ってして成り立ってゆき。
死体は多く、下に転がっていて。
記憶の組み立てに苦戦しながらも、人々は何とか日々を生き抜いている。
平和だ。
だけど幸せじゃない。君がいないから。
何度も納得を試みるけど、何度も失敗して。
僕たちは結局、憂鬱になっていった。
暗い気持ち抱えて、心ひどくえぐられて、
また今夜も僕たちは、あまり良くない夢を見るのだろう。
君と同じように僕たちもまた、鎖を解かれることはなかった。
ああ、今夜も頭痛が激しく痛い。
ああ、今夜も僕たちは首を締められてゆく。
僕たちはまた、見放されていった。
かわいそう。

 

「再生時間2:10~曲の終わりまで」

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穢れた竜姫のお祈りはようやく終わりに近づき。
いつまでも誰かの為にあろうとしていて。
いつまでも自分を捨て去って。いつまでも自分を犠牲にしていって。
命を繋ぐことに永く真摯に取り組んで。
僕たちでは彼女を測れなかった。
僕たちよりずっと神様に近い彼女を、僕たちは理解出来なかった。
理解したかった。
もう少しもっと、笑っていて欲しかった。
僕たちはいつまでも、自分の幸せだけを考えていた。
僕たちはまだまだ、子供だった。
おわり。