音楽解析on twitter 解析曲名「First Love(宇多田ヒカル)」のブログ上での掲載。

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宇多田ヒカル - First Love

 

以下、ツイッター上での「曲の歌詞」にあたる部分は、

ブログ内ではYOUTUBE動画における「再生時間〇:〇〇~〇:〇〇」で表しています。

また、ツイッター上に最初に載せた文章から、一部修正しています。

 

「再生時間0:22~0:27」

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初めて飲むビールは苦く、そして不味かった。
コーヒーなら無糖でも、いくらでも飲んでいられるけれど。
ワインは色が綺麗だから、これからも試していきたいな。
目で見て口から取り入れて、舌で感じて身体に落とし込んでいく。
外側にあったものを内側に入れていくことで、私たちは学んでいく。
何かを入れないと始まらないけど、しかし入れてしまうとそれは久遠に終わらない。
どうしようか。

こうしようか。
何色の私を、私はこれから摘んでいこうか。
何色の花を、私はこれから咲かせていこうか。
これは零(れい)の物語。
熱すぎるものには冷水を与え、冷たすぎるものには温水を与えゆく。
それは心落ち着くために。それは心穏やかになるために。
それは原点へと原初へと、立ち戻ってゆくために。
物事の醜さや美しさばかりを気にするのではなく、
自分の心の静謐さをまずは尊重していって。
穢れる悦びを知る前に、まずは無垢を知り味わい。
滅びゆく快感に溺れる前に、生み創りゆくことに興味を抱いて。
若者だけが、若い人ではなくて。
若い心を持って・心をほよんと弾まして、潤い溢れる君の物語を楽しんでいこうよ。
ぜひぜひ。

ぜひぜひ。

君物語を、楽しんで。

 

 

「再生時間0:27~0:32」

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気づけば君は、すっかり年を重ねていて。

気づけば君は、子供を卒業してすっかり大人になっていて。
どこか君を置いてけぼりにして、時間は猛スピードで君を追い抜いていってしまっていて。
とても早い。ムカつくほど早い。時が経つのはめちゃ早い。
振り返る時間が、無さ過ぎて。
あったとしても、あまり振り返りたくなくて。振り返ろうという気持ちになれなくて。
未整理のままで。君の記憶は散らかったままで。
どこから手をつければいいのか分からない。
どの時の過去の記憶から、整理していけばいいのか分からない。
整理しようとする今の自分自身が曖昧な存在だから、テキパキと速やかに整理すること出来なくて。
手をつける前に、ボーっとしちゃう。
過去を失くして今からも遠ざかり、どこかで自分を誰かにしたままボーっとしちゃう。
楽になりたい。
荷物を全部、降ろしたい。
ここまでの私は、もう飽きた。
これまでの私は、もう十分。
違う海から新しく、生まれ出でたい。
そのために一度、心に溜めた荷物を降ろしていきたい。
抱えている役目とか役割とか義務とか、何かどーでもよくて。
軽い自分に惹かれて。
頭お花畑な自分を羨ましがって。
そうやってそうやってそうやって、自分の角(かど)を取っていきたい。
丸く丸く、限りなく摩擦を失くしていきたい。
ふ、ふひゅー。
ふ、ふひゅー。

 

「再生時間0:32~0:43」

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衝突を避けて。

殺伐から逃げて。

葛藤を押し入れにしまい込んで。
心モヤモヤしていては、何も始まらないような気がして。
心の中を散らかして乱雑のままでは、またいつものように自傷してしまうような気がして。
このルート、もう飽きて。
違うルート、行きたくて。
繰り返すこと、もう嫌なの。
ただただ命延ばすこと、それ死ぬより辛いなの。
倒れゆく自分を、温め慰めて。
夢見ようとする自分を、遠くの方から励まして。
君の武器と言えるものは、やはりその錆びれた心とやせ細った身体しかなくて。
しょうがなく仕方なく、自分の心と身体を静かに磨き拭き。
淡々と淡々と、心の靄(もや)を晴らしていって。
ピカピカになることは、久遠に来ないの。
昔のような無垢純真には、永遠に辿り着けないの。
老いた自分を、嫌がりながらも鏡でちゃんと見て。
止まらない時間を、肌で感じて。
後悔の波は無限に襲い。
諦めナイフは終わりなく君を刺してゆく。
ぜひ、死ぬ間際まで行ってくれ。
帰れるのかなあ。帰れるのかなあ。
それは、分からないや。

 

「再生時間0:43~0:48」

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虚ろな顔して虚ろな心で、君は夜の空ばかり見て。
応えてくれない夜の空に、応えてくれることを頼み続けて。
決めてくれない夜の空に、決めることをお願いし続けて。
君はもう、お手上げで。
君はもう、頭重くてすごく眠くて。
分からなくて考えたくなくて。

これ以上答えには、近づくことが出来なくて。 
プチプチ緩衝材を一粒ずつ、プチプチと潰しながら。
ヒスイ色の枝豆を、一粒ずつゆっくりと頬張りながら。

夕陽色の焼き鮭を、身を残さないよう丁寧に行儀よく食べながら。
持ち物すべてを落としゆくことで、落とし物を失くしてゆく。
すべてを諦めることで・すべてを許し認めてゆくことで、自分の心を平たんにしてゆく。
砂の上を静かに歩いて。
夜の波に癒されて心奪われて。
心が澄んでいない者が、主人公やヒロインになることは難しく。
穢れない心を持つ者を映えさせる背景として。
世界の美しさを保つ循環器として。
自ら光りを生み出せないのならば、光りを映えさせる影として。
生きる幅を増やしながらゆっくりと、君の物語を進めていこうよ。

 

「再生時間0:48~0:54」

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そうと分かれば、話は早い。
深い呼吸で、自分の心を整えながら。
半ば夢見がちなまま少しずつ、現実との再接触を試みながら。
鼻歌、微かに奏でゆき。
会いたかった人・言葉交わしたかった人、少しずつ思い出してゆき。
映画や舞台と同じように、私たちの人生にも第二幕があって。
心に溜まっていたゴミカスを、上手く再利用させながら。
穢れてしまった心で、世界の美しさを再発見しながら。
死ぬという清いラストステージを迎える前に、
それに添えれる綺麗な花を、ここからこれから摘んでいこうよ。
勝ったり負けたり、また負けたり。
振ったり振られたり、また振られたり。
落ち込んだり元気になったり、また落ち込んだり。
波打つ心、静謐に楽しんで。

 

「再生時間0:54~1:04」

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夜明けは君に近づいて。
早く朝陽を浴びたくて。

早く光りに照らされたくて。
うずうず、うずうず。

うずうず、うずうず。
過去に仕方なく感謝して。
嫌な過去にも思い出したくない過去にも、軽く一礼していって。
心整えることを第一に優先して、それ以外を捨て去りゆく。
静かに気長に曖昧に、自分を慈しんで。
自分が新たに生まれ始まれるのを、ふわりふわりと待ちましょう。
この世に生まれたばかりの頃の心持ちで。
何もかもが新鮮で、何かもが輝いていたような感覚を取り戻して。
君第二章を、始めていきましょう。
ああ、鳥が鳴き始めた。

 

「再生時間1:04~1:15」

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これまでの君という花は散って。
これまでの君という花は枯れて。
土へと還る・土へと戻る君がいて。
気持ちいいなあ、気持ちいいなあ、
こうやって一度、終わることが出来るのは。

気持ちいいなあ、気持ちいいなあ、
こうやって一度、幕を閉じることが出来るのは。
終わりがあるから、始められて。
帰結するから、迷うことが出来て。
生きることは難しく、生きることは大変で分からなくて。
そうやって私たちを盛大に迷わせて、
神様は次なる命の為の膨大なデータを取っているのだろう。
私たちは誰かに操られ続けて。

私たちは誰かに決められ続けて。
それを知らずに・それに気づかない振りをしたまま、私たちは生きてゆく。
ああ・・・。

う~ん・・・。
生きるっていうのは、おもしろい、のかなあ。
それは、分からないや。

 

「再生時間1:15~1:21」

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みんな、早いな。
みんな、もう動き出している。

みんな、もう生きるのを再開している。
私はまだ、半ば夢で。

私はまだ、夢の中で溺れ漂い続けていて。
夢の温もりに甘やかされて。
夢の刹那にからかわれ続けていて。
もう少しだけ、このまま。

あと少しだけ、夢の続きを。
撫でられて。淡く触れられて。軽く擦られて。
心の繊維をていねいに、ねっとりとしっとりと編んでゆく。
接触と抵抗を交互に繰り返して。
摩擦を悦びに変えながら。
心理的緊張を、興奮生み出す遊び道具へと変換させながら。
ゆっくりとゆっくりと確実に、自分を光りがある方向へと向かわせてゆく。

そういう風に、君は望んでいた。
そういう風に、君は生き望んでいた。

 

「再生時間1:21~曲の終わりまで」

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天然少女の戦略的愛情表現はようやく終わりに近づき。
知らない振りをして・理解してない振りをして、核心へと近づいていく。
本当に自分でもあまり分かっていないのかもしれない。

本当に自分でもあまり理解していないのかもしれない。
自然に不意に唐突に、自分を動かしてゆく。
穏やかな風に流されて。

終着点を知る心音の導くままに。
抵抗するのは、ストレスに繋がるから。
無理に装うのは、気疲れしてしまうから。
天然に自然に強欲に、自分を生み活かしていく。
君という実験体、君にとって唯一無二で。
社会的に世界的に歴史的にほぼ零な君という命だけれども、
そのほぼ無価値な命を守っていけるのは君自身しかいなくて。
仕方なく無理なく確実に、自分という儚い花に水をやっていく。
そういう物語。
そういう儀礼
おつかれさま。
おわり。