音楽解析on twitter解析曲名「カントリーロード(本名陽子)」のブログ上での掲載。

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カントリーロード feat_本名陽子_耳をすませば

 

以下、ツイッター上での「曲の歌詞」にあたる部分は、

ブログ内ではYOUTUBE動画における「再生時間〇:〇〇~〇:〇〇」で表しています。

また、ツイッター上に最初に載せた文章から、一部修正したりしています。

 

「再生時間0:31~0:45」

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離れたくも、なかったよ。
別れたくも、なかったよ。
ずっと、ずっと、ずうーーっと。
共にいたくて。共に有りたくて。共に遺してゆきたくて。
記憶の中を辿りゆき。若き日の瞳を、蘇らしてゆき。
鮮やかさに祝福されながら、御光に貫かれながら、
君は君自身を愛で撫でてゆく。
これは尊敬の物語。
あまり自分を蔑まないで。あまり自分を揶揄しないで。
大切な君よ、もう一度。
筆跡を辿り私恨を祓い、大切な君、蘇らしてゆく。
それは清くなるために。
それは気持ちよく爽快に、黒い涙を落としてゆくために。
大切なのは束の間の快楽ではなく。欲しいのは刹那のゆとりではなく。
礎(いしずえ)が、欲しい。生への確固たる執着が、欲しい。
眉毛を凛々しく整えて。呼吸を鹿(シカ)に教わり倣い。
艶やかさを敬いながら。感度を良くしながら。
うねって吠えて、わめきゆけ。
桜風、君のはじまりを慮(おもんぱか)って華麗に舞い散っていった。
苦しくはない、今はただ。

 

「再生時間0:45~1:02」 

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不思議と、こみ上げてくる。
特に構えずとも・特に心の準備せずとも、君の心は整い向かってゆく。
神聖な場所へ。口笛鳴り響く清らかな場所へ。
血が赦されゆく場所へ。
恐怖を裏返し空虚な自信へと変換させながら。

甘酸っぱい恥ずかしさを真摯な気持ちで堪えながら。
意味がないと思っていた経験が、ここで活きてくる。
無駄にしたと思っていた時間が、味方についてくる。
白だけしかない世界の中では、呼吸することは難しく。
その世界を塗ることで・その世界を穢すことで、君は君を愛しゆく。
不条理の中にある甘い果実を頬張りながら。
散り散りになった希望の破片を一つずつ丁寧に拾い集めながら。
今の君に必要なもの、ここからこれから見つけていこうか。
さあ、進み迷え。

 

「再生時間1:02~1:09」

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現状の・現在のある程度育ち切った君は、完全に溺れ極めていて。
灯かりによって映し出させる君の姿は、表現するのも辛いほどひどく愚かで醜くて。
何で、死んでないの?
何で、消えていないの?
何でまだ、そこにいるの?
自分の存在を、激しく毛嫌いしている君がいて。
ブサリグサリと自責の念は、君に大量に刺さりゆき。
謝ることで、逃れようとしている。
鳴りやまない罵声。甲高い音が、耳に痛い。
ひどく疲弊している君がいて。
どんどん意識が薄くなる。
どんどん存在、小さくなりゆく。
赦されるより、もう消えたい。
ギリギリの君がいた。倒れゆく君がいた。
ああ、一度おやすみ。

 

「再生時間1:09~1:17」

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夢の中で、君は起きる。
それは君の意思なのか、果たして。
現実の痛みから遠ざかり、君は少しだけ安堵して。
ここでだけは、笑えるように向かっていこうよ。
ここでだけは、素直になっていこうよ。
神様が与えた欠陥とも言える人間の機能を君は最大限利用して。
誰のためにかは分からないけれど。
限りなく自分を失くすことで、君は君を保護してる。
独りでは生きていけない君がいて。
餌(エサ)を待ちわびて尾を振り続けている君がいて。
しかし誰も、来てくれなくて。
それが少し寂しいけど、それがまた安心の材料ともなっていて。
今は、いいや。
望まずに、望めずに。
自分の弱々しさを噛みしめがら。
自分の生命レヴェルの低さをよしよししながら。
ぽつんという音さえせずに、君はいた。
少しだけ少しだけ少しだけ、
愛と呼べるには非常に稚(いとけな)さすぎる温もり、自分自身に添えながら。
くしゅん。
ああ、風邪引きそう。

 

「再生時間1:17~1:23」

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祝福されるには、まだほど遠く。
殴られた記憶が・罵声の記憶が、君を徹底的に殺しゆく。
痛いどころの話じゃない。
重く、濃く、激しい侮(あなど)りだ。
そんなに悪いこと、したっけ?
そんなにダメだったんだっけ?、自分。
悪夢は無限に増殖し、君の記憶さえ奪い去り。
せっかくの機会、消えてゆく。
跳べる機会・舞える機会、執拗に盗まれてゆく。
辛いなあ、悔しいなあ。
すべて理由を自分に押し込み。
すべて原因を自分に刻み。
学ぶことが人間の至上の叡智とするならば、
それと最も真逆な方向へと君は進みゆき。
何も無いどころか、激しく久遠にマイナスで。
ため息すら、出ない。
悲しむことすら泣くことすら、赦されてはいない。
無言無味無色無臭な罰、続けられて。
完全に、君、終わりだね。

 

「再生時間1:23~1:30」

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誰が君を救うのか。

誰が君に気づいてくれるのか。
ひどく命を失った先に、君は言葉失った血まみれの迷い子となりて。
ヒトからも自然からも離れて、どこでも無いどこにもない空間の中に君は彷徨う。
そんなん、誰も見つけられねーし。
そんなん、かくれんぼの域、越えてるし。
見つけられるきっかけがあるとすれば、声で。
そんなオワオワコンコンの君が誰かに発見されるとすれば、君の声がきっかけで。
不思議に。奇異に。雄大に。
自分の存在を音に変換し、君は何故だか産声をあげてゆく。
何故鳴けたのか、君自身にも分からず。

死ぬはずだったのに終わるはずだったのに消えるはずだったのに。
感謝するとしたら、それは憎い憎い君の血で。
仕方なく舌打ちをしながら、光りある方向へと君は這いずり歩んでいった。
望んで行くというよりも、着くことを誰かに予約されて。
ブサイクながらに、君は進み向かって行った。
いらねえ命をしょうがなく抱えながら。

 

「再生時間1:30~1:45」

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残念ながら光りは無いよ、向かい行くその先に。
期待すんな。望むな。悦べることを待ちわびるな。
それは君が、一番知っているじゃないか。
負を積み重ね極めた君が、一番見てきたじゃないか、その瞳で。
もったいないよね、その瞳。
そんなに美しいのに、入るものは君を穢すものばかり。
それが、罪かもね。
その罪の、これが罰かもね。
そうしないと、納得出来なくて。
自分の武器といえるもの何も無い君が、
一番依れるのがその風立ちぬ瞳で。
君、落ち着きを微量ながらも少しずつ取り戻してゆき。
それは遅いし、でもまあとりあえず、貰っておくよ。
これからのために。前を向くために。
戦ってゆくために。決別するために。
とても弱く、しかしとても尊い自分自身と。
それな。

 

「再生時間1:45~曲の終わりまで」

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清純少女の傷を知りゆく通過儀礼はようやく終わりに近づき。

だいぶ迷って。だいぶ疲れて。だいぶ彷徨って。
一度暗闇を知らないと・経験しないと、前に進むことは出来なくて。
一度穢れないと・醜さを知らないと、白さの意味には気づけなくて。
学ぶことは難しく。知ることは苦しみや吐き気多く伴い。
大人になるには多くの嘘を経ること必要で。
多くの嘘の中で、君は矛盾を抱え矛盾を認めながら自分を温め孵してゆく。
ふう、ふう、ふう。
足りないことに・満たないことにイラつくことが多いけれど、
今はただもう少しだけ、昔の自分に甘えていようかな。
いままで、お疲れさま。
そしてどうか、清く死んでくれ。
ありがとう。
そして、さようなら。
おわり。