眠れない人のための「五月雨 (崎山蒼志)」徹底解析。~好きな人ほど殺したい。~
はいこんにちは、犬飼です。
今日も「音楽解析」をやっていきます。
「音楽解析」ってなに?
「音楽解析」はいつもより『深く』、音楽を聴いて、語ることだよ。
「音楽解析」とはいつもより曲の音やボーカルの声に「寄り添って」、
音楽についてしっとりと考えることだよ。
音楽って、ただ曲を聴くだけのものじゃないんだよ。
音楽って、曲を聴く行為を通じて、「何かが起こっている」現象なんだよ。
だって音楽聴くと、僕らの心が『揺れる』よね。
いつもは抱かない「感情」や「想い」が感じるよね。
曲の音やボーカルの声に反応して、僕ら聴き手が何かしら「変化」するんだよ。
曲の音やボーカルの声に応じて、僕らの心は日常とが違った「体験」をするんだよ。
その音楽を聴いているときに感じる「不思議な感覚」を解き明かすのが「音楽解析」だよ。
音楽を聴いているときの僕ら聴き手の心の変化や、
その心の変化を引き起こす曲の音やボーカルの声を分析するのが「音楽解析」だよ。
今日も楽しく音楽解析やっていくよ(^^)。
今日解析するのは崎山蒼志さんの「五月雨」です。
今回もYOUTUBEの動画を使っていきます。
動画の再生時間に応じて僕がその曲の音やボーカルの声から感じること・思ったことを書いていきます。
それでは始めます。
『再生時間0:00~0:03』
再生時間0:00秒から0:03秒まで。
イントロの音の出だしの音に対して僕が抱いた第一印象についての説明。
以下この時間帯の詳しい解説。
音楽が始まる、始まっていく。
音楽はイントロから始まる、始まっていく。
ひどく「だらけた」イントロ音ですよね。
ひどく「乱暴な」・ひどく「散らかった」イントロ音の出だし。
やんちゃで横柄で、自分勝手な音の出だし。
「反抗的」な音。
「無礼」な音。
「礼儀を知らない」音。
ひどく「ぶっきらぼう」に、イントロ音は僕ら聴き手にぶつかってくる。
そんなこんなで僕らは出会った。
そんな印象を感じながら、僕ら聴き手は曲と出会った。
これから僕ら曲の聴き手は、この曲と何を「話す」のか。
これからこの曲は、僕ら聴き手にどんな世界を見せてくれるのか。
聴き手と曲との、「対話」が始まっていく。
聴き手と曲との、「気持ちのぶつかり合い」が始まっていく。
もう少しイントロの音は続いていく。
イントロの続きを聴いていこう。
『再生時間0:03~0:08』
再生時間0:03秒から0:08秒まで。
イントロ音の全体的な感想。
以下この時間帯の詳しい解説。
曲は続く。
曲のイントロ部分は続いていく。
楽しい。
このイントロ音を聴くのが楽しい。
まだ「完成されていない」曲の音を聴くのはとても楽しい。
イントロ部分が続いていて、イントロの音が僕ら聴き手に突き刺さる。
イントロの全体的な印象としては、「明るく」も「暗く」もないかなあ。
どっちかというと暗いけど、それほど気にするほどの暗さでもない。
わりと「平常心」を感じさせるイントロの音の印象。
わりと「波風立ってない」、イントロの音の印象。
このイントロ音は静かに僕ら聴き手に「刺さって」いく。
無愛想なイントロ音の雫(しずく)は、静かに僕ら聴き手に「垂れて」くる。
ゆっくりと僕ら聴き手に絡みつく。
しっかりと僕ら聴き手に絡みついてくる。
手数が少ないシンプルなイントロ音。
僕ら聴き手もまだそれほど、自分の心は揺さぶられてはいない。
割とまだ僕ら聴き手は「平常心」のままで、曲の続きを待っている。
このイントロ音から、少しは感じれるものもある。
ただそれらはこのイントロの段階ではまだほんのわずかで、確定的ではない。
まだ感じるものの存在が小さくて、強くはない。
まだ僕ら聴き手に強く襲ってくるほどではない。
曲の続きに期待しよう。
そのまだ小さくて見えにくいものを、
これから曲を聴いていく中で会っていこう。
何が出てくるか。
何が潜んでいるか。
それらを予想するのもイントロの時間帯の楽しみ。
それらが以降の時間帯で出てくるのを期待するのも、イントロの時間帯の楽しみ。
鬼が出るか蛇(じゃ)が出るか。
曲の続きを聴いていこう。
『再生時間0:08~0:10』
再生時間0:08秒から0:10秒まで。
ボーカルの声の第一印象についての説明。
以下この時間帯の詳しい解説。
来た。
来たね。
ボーカルの声がやってくる。
ひどく「急ぎながら」、ボーカルの声がやってくる。
あまり僕ら聴き手の「顔を見ないで」、ボーカルの声がやってくる。
必死に、不器用に、明日を見ながら、未来を見ながら、
ボーカルの声がやってくる。
おもしろな、若いって。
楽しいよね、若い人の曲を聴くのって。
以下ボーカルの声の第一印象について書いていきます。
何か「人間っぽくない」よね。
若さが「離散(りさん)」してる声。
少しひねくれたせいで、若さの方向を他の人とは変えてみたくて、
ヒトではない、例えば「昆虫やロボット」に向けてしまっているような声のように感じた。
これがメジャーな人で例えるなら、忌野清志郎とか。
CHARAとかにも分類的には一緒かも。
ヒトを理解するためにヒトの方には見ず・向かわず、
ヒト以外からヒトを知る・ヒトを表現する。
ヒト社会を少し斜め、いやだいぶ斜めから見ているような声。
簡単に「中二病的な声」というのは違う気がする。
ただ方向的には人が多い方には向いていない。
ヒトの社会から少し距離を置いているような声。
この距離感が難しいのだけれどね。
この距離感が、その声を美しいがどうかを決めていく。
ストレートな声ではない。
ストレートに僕らの顔めがけて飛んできてはいない声。
何かを経由して、ヒト以外の視点を経由して僕ら聴き手に届く声。
この声がこれから僕らをどういう世界に連れていくのか、
曲の続きが楽しみだ。
曲は続く。
ボーカルの声が、「曲の世界」を創り出し、僕らに提示していく。
『再生時間0:10~0:15』
再生時間0:10秒から0:15秒まで。
普段の曲とは違いボーカルの声から発する言葉と言葉があまり連なっておらず、
「一単語ずつ」僕ら聴き手にぶつかってきている。
以下この時間帯の詳しい解説。
曲は続いていく。
ボーカルの声が僕ら聴き手に注がれていく。
どちらかというとこの曲は、
僕ら聴き手に「歌詞」がぶつかってくるというよりも、
「単語(=言葉)」がぶつかってくる。
まとまりのある・繋がりのある一文で構成されていく歌詞というよりも、
「ぶつ切りにされた単語(=言葉)」一つ一つで僕ら聴き手にぶつかってくる。
僕ら聴き手はボーカルの声から、つながって意味を成す言葉は与えられず、
「一語一語で意味を完結させた言葉」が与えられてくる。
言葉の波に乗るのではなくバラバラにされていく言葉の海に、
僕ら聴き手は浮かんでいく。
言葉の波に飲まれるのではなく、一つ一つの単語に殴られていく。
ボカスカボカスカ。
子供らしいといえば子供らしい曲。
「言葉」を最近知った子供が面白がって、
キャッキャッ言いながら「言葉」と遊んでいるような曲。
小さな水滴が僕らの顔面にぶつかっていく。
1つ1つでは弱い水滴が、僕らの顔に無数に降りかかり、
僕ら聴き手の心を攻めてくる。
ここからどうなっていくのか。
遊びのようなこの曲は、どのような形に変わっていくのか。
曲の続きを聴いていこう。
ここからの展開を楽しみながら、曲の続きを聴いていこう。
『再生時間0:15~0:22』
再生時間0:15秒から0:22秒まで。
ボーカルの崩れた声に親近感を抱きながら。
遊び相手のような曲の歌詞(=言葉)と、僕ら聴き手はじゃれあっていく。
以下この時間帯の詳しい解説。
こういう子供の時の友達のような声って、珍しいよね。
大抵歌手って言えばある程度大人だから、形が綺麗な声が多い。
形が美しいからプロになれていることが多い。
この曲の声はまだ僕らと距離が近い。
声の形としては、そこに特に美しいとか綺麗とかは感じない。
「形を崩した」声。
美しい形をした音の強さを示すのではなく、
崩れた・揺れた声で、感情を垂れ流している声。
くしゃくしゃの声。
でたらめのように聴こえる声。
無数に散っていく声。
おもしろ。
曲を聴いているというよりも、「パズル」を解いているような曲。
メロディに僕らの身を寄せる曲というよりも、
曲の音と向かい合って、その「言葉(=歌詞)」とじゃれ合うような曲。
猫が猫じゃらしにじゃれるように。
僕ら聴き手はこの曲で、曲の言葉(=歌詞)とじゃれあっていく。
そこにそんなに、意味はない。
ただ楽しいから。ただおもしろいから。
それだけでよくね?。
それだけで十分じゃん。
曲は続いていく。
『再生時間0:22~0:28』
再生時間0:22秒から0:28秒まで。
ボーカルの声に「熱」が入る。
それに応じて僕ら聴き手に心も熱くなり、
僕らは曲の言葉(=歌詞)と、真剣に向かい合っていく。
以下この時間帯の詳しい解説。
ボーカルの声のテンションが少し上がる。
ボーカルの声から少し「熱」を感じてくる。
ボーカルの声から少し「勢い」を感じてくる。
先ほどまでの時間帯でやっていた「遊び」に、「火」が混じる。
先ほどの時間帯までやっていた僕ら聴き手との言葉とのじゃれ合いに、熱が帯びてくる。
僕らは少し、「本気」になる。
僕ら聴き手は少し、「真剣」になる
遊びをさらに楽しんでいく。
じゃれ合いをさらに「過激」にやっていく。
知略を尽くして言葉(=歌詞)を吸いつくしていく。
僕たちの頭を研ぎ澄まして、曲の言葉(=歌詞)と触れ合っていく。
大人も子供もおねーさんも、曲の言葉(=歌詞)に真剣にぶつかっていく。
やっていることはすごく馬鹿げていること。
赤ちゃんでもできること。
言葉を覚えたばかりの赤ちゃんがやっていることと変わらない。
単純になって、言葉とぶつかり合おう。
幼い時の自分に戻って、言葉に触れてみよう。
それだけで楽しいから。
それだけでそこに「意味」を感じるから。
曲の続きを聴いていこう。
『再生時間0:28~0:35』
再生時間0:28秒から0:35秒まで。
先ほどの時間帯までぶつかってきていた曲の言葉が少し「引く」。
熱くなりすぎた言葉ゲームとここで少し、距離をとる。
以下この時間帯の詳しい解説。
ボーカルの声が下に行く。
ボーカルの声が下っていって、潜っていく、潜っていく。
この時間帯になって初めて、ボーカルの声から「人間味」を感じた。
この時間帯になって初めて、ボーカルの声から「弱さ」「不安」を感じた。
逆に言えば今までの時間帯は、すごく頑張っていたなあと思う。
今までの時間帯での緊張が、この時間帯になって少しやわらぐ。
この時間帯は温かい。
この時間帯のボーカルの声からは、人の温かさを感じられる。
僕は少しホッとする。
僕は少し緊張がほどけて、落ち着ける。
頭を少し空にできる。
今までの時間帯の「言葉遊び」に少し疲れて、
この曲で少し体力回復する・元気になる。
聴き手は少し身体をほぐして、曲の続きを聴いていく。
『再生時間0:35~0:52』
再生時間0:35秒から0:52秒まで。
ボーカルの声にまた熱が入り、
僕ら聴き手はその熱から「未来」を見る。
未来を見ながら僕らはまた、パズルを解き続ける。
以下この時間帯の詳しい解説。
また上がっていく。
またボーカルの声は熱を帯びていく。
意味がない。
あまり意味がない。
この遊びには意味がない。
この言葉遊びにはあまり意味はない。
意味がないところを僕らは回り続けている。
終わらない、完成しないパズルを僕ら聴き手は必死になりながら解き続けている。
意味のないパズルに熱中する僕らの心境は、
まるで「線香花火」を見ている時の心境のようだ。
小さな火から、巨大なものを感じて。
小さな揺れから、膨大に広がる時間を感じて。
脈絡のない言葉から、無数に広がる言葉を感じて。
僕らは僕ら自身を、その「熱」の中に投入していく。
「熱く光るもの・無限に広がっていくもの」の中に、
僕たちは自身の未来を投影していく。
小さい花火に、自らの未来を投影していく。
終わらないパズルに明日を見る。
僕らは意味のない毎日を生き続けている。
僕らその意味のない日々を、自らの言葉で意味づけている。
無形な日々を、有形な日々にしていく。
何もない日々を僕らは言葉で、確かな一日にしていく。
何もないところから僕らは言葉で、何かを作り出していく。
すべては遊び。言葉の遊び。
言葉で僕らは繋がっていく。
言葉で僕らは意味のないものを意味あるものに変えていく。
曲は続く。
僕らは解けることのないパズルを解き続けていく。
『再生時間0:52~曲の終わりまで』
再生時間0:52から曲の終わりまで。
たぶんここがサビの部分だと思うので、
この時間帯で僕ら聴き手は曲の「総集編」を鑑賞していく。
この時間帯で解析は終了する。
以下この時間帯の詳しい解説。
ここがサビでいいんだよね?(笑)。
実はこの曲ちゃんとまともに聴くのは今回が初めてなので、
いまいち曲全体を把握していない。
まあたぶん、ここが盛り上がってるからサビでいいや。
曲のサビという所は、いわば曲の「総集編」。
サビの部分で実質曲は終わるので、
曲が終わる前に僕ら聴き手はボーカルの声と共にこれまでを振り返る。
サビを聴いていると、この曲のこれまでがフラッシュバックしてくる。
僕ら聴き手の頭はサビの部分でどんどん「真っ白」になっていく。
サビの部分で僕らは実質「灰」になっていく。
消えゆく前に、刻んでいこう。
この曲から感じたものを忘れる前に、僕らの心を反芻(はんすう)してみよう。
相変わらずボーカルの声は「砕けて」いる。
相変わらずボーカルの声は「でこぼこ」している。
相変わらずボーカルの声は不器用で、僕らの顔をあまり見ない。
この不器用な声は何を見ている。
この高校生は何を見ている。
ボーカルの声は何を見て、どう捉えている。
高校生から見て、この社会・この大人の人たちで創られている世界をどう感じる。
「視点勝負」
大人な歌手と違って子供な歌手が勝てるとすれば、視点の勝負だ。
大人からは見えない視点で、世の中を見る。
大人では知れない視点で、世の中を感じる。
それがこの曲の良さ。
大人な歌手では見えないところから見たものを、
僕ら聴き手に伝えていく。
素直じゃない視点から、世の中を見る。
屈折した視点から、社会を眺めている。
新しい視点を僕ら聴き手に気づかせる・教える。
ただ多くの大人の聴き手たちはそれに気づいて・教えてもらっても、
今の自分たちの視点は変えないだろう。
それを変えれないことが、「大人」と言えるのかもしれない。
高校生に教えてもらったその新しい視点をどれだけ自分たちの視点に加えれるのか。
自分たちの視点の中でこの新しい視点はどのあたりの視点に位置しているか。
ボーカルの声が僕らの心の中で漂(ただよ)い続ける。
大人な僕らは、子供なボーカルの声との妥協点を、
いつまでもいつまでも探し続けていた。
変えれないくせに。
変えれないくせに、大人な僕らは妥協点を探すふりを、
いつまでもいつまでもし続けていた。
五月雨
崎山蒼志
眠れない人のための「五月雨 (崎山蒼志)」徹底解析。
~好きな人ほど殺したい。~
音楽解析終了。
後書き。
特になし(笑)。
おもしろかったよ。
おつかれさまでした<(_ _)>
おやすみなさい(^^)。
10月8日
読み直して文章修正。
後半分かりにくくなってしまったと思う。
後半ちょっと読みにくい(^^)。